ノルウェー

比較的安全な国と言われているノルウェー。
無数のフィヨルドや細長い入り江をたどりつつ、ノルウェーの険しくも美しい海岸ぞいの都市や町、村は多くの人々を魅了しており、ノルウェー沿岸急行船のルートを、世界一美しい航路と思っている人は少なくありません。
しかし、これほど素晴らしい国においてさえ、犯罪者の手は逃すことなく迫っており、国民を不安に陥らせています。

爆発テロ

2011年7月22日に起きたテロは未だ人々の記憶に新しい事件として伝えられています。
ノルウェーの首都オスロの首相府が入る政府ビル付近において、日本時間の午後10時半ごろ、大きな爆発テロがあり、8人が死傷、尊い命を失いました。
そしてその約2時間後、オスロ北西部にあるウトヤ島で開催されていた連立与党・労働党の青年部集会で、男が銃を乱射し、68名以上が死亡、多数が大怪我を負うという悲惨な報道が全世界でなされたのです。

この大規模テロの犯人は狂信者(異常者)の単独犯でした。
組織活動を行わず、ネットだけで活動を行っていたのです。

テロ行為は増加している

一般的にテロの定義は、
(1)非戦闘員を標的としたもので、
(2)劇的な効果をねらって、つまり恐れを抱かせる目的で、暴力を用いることとなっていますがそれはかつてないほど残忍さの度合いを増していると言われていますし、そしてさらに悪いことに、次々と新しいテロを生み出しています。

今回のノルウェーのテロをはじめとする近年のさまざまな事件は、独立した集団や過激的な単独犯によるテロ行為が増加していることをはっきりと示しているのです。

こうしたテロの複雑化のため、根絶は困難であるとの味方が強まっています。
テロリストの主要な動機は、抗いがたい政治的、社会的、経済的な力に対する純然たる挫折感であり、テロリズムは問題の兆候であって、実際の原因ではないという味方をする専門家もいます。
そのため、テロリズムの裏に潜む社会的・政治的原因の除去を長期的な目標とすべきであり、自由や尊厳、公平さ、人道的価値観などを強化しなければならないと訴えています。

たしかに、今回のノルウェーにおける犯人の異常性からすると、人道的価値観が著しく欠けているとこを見て取れますし、これから彼のような異常者が増えるであろうことを予想されます。
そして、警察はそれらインターネットの世界に潜む異常者の発言を24時間監視し、テロが起こる前に阻止することは非常に困難を極めているという状況に頭を抱えています。

ジレンマを払拭しなければならない

インターネットの世界には国境がありません。
異常者が自国以外の場所でテロをほのめかす可能性は十二分にあります。
自国の言語以外の言葉を用いるかもしれませんし、そうなれば世界中の警察官が結託しなくてはならなくなります。

では、ネットの世界を離れ、現実の中において単独犯によるテロは阻止できるのでしょうか。
テロに使用すると思われる危険な薬品を購入しようとしている人を全て容疑者にできるのでしょうか。
逆に、それら危険な薬品や機材を許可証の下に使用する人は決してテロを起こすことはないのでしょうか。

一見しただけで単独犯は見極められません。また、全ての人間をテロリストの可能性があるとみなし、ガチガチの規則で縛り上げることもできません。
単独犯はチームを組まないため連絡手段も必要なければメールや電話で情報交換をする必要もありません。その結果、逮捕に非常に時間がかかってしまうのです。

このジレンマ払拭への解決策は確立されていないため、今回のような比較的安全と言われる国でテロが起きてしまうと、実際の警察官達の動きにもタイムロスが出てきてしまいます。
もう少しでも初動が早ければ、犠牲者の数をもっと減らせたのかもしれません。
テロが起きてからでは遅いのです。起きる前に阻止しなければ意味がないことを、今回のノルウェーのテロによって多くの警察官が学んだものと思われます。

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