マレーシア

マレーシアが好きで年に数回訪れるのですが、ここの国も他にもれず、警察官はあまり国民に好かれていません。
ニュアンスとして、警察官は日本人がイメージするような「憧れの職業」でもなければ「カッコイイ職業」でもない、どちらかと言えば「警察官にしかなれなかった人たち」というスタンスです。

危険なロードタックス

実際彼らの働きを目にしたのですが、なるほど納得できるエピソードがたくさん。
ロードタックスと呼ばれる税金を納めている車を、彼らは抜き打ちでよくチェックするのですが、たいていそれを行うのは夕方の帰宅ラッシュ時。

マレーシアの道路事情は決して良くはなく、車線が突然増えたり突然減ったりするのですが、その車線の本数がちょうど変わる辺りで片車線を封鎖してチェックを行い出すので、道路は大渋滞。思わぬ事故に繋がりかねないほど危険な場所でチェックは行われます。
時にはそれが高速道路内でも行われるのですからオドロキです。

さらに、税金未納の車を見つけて止めるわけですが、そこでワイロを要求するのも珍しい話ではありません。
それなので、結局「オレこの前ロードタックス払ってなかったから警察に止められちゃってさ、でも50リンギ渡したらそれで返してくれたぜ」なんて会話も平然となされるわけです。
また、多くの難民を抱えるこの国では彼らの人権はほとんど認められておらず、難民であるというだけで警察官に事情聴衆されたり、持ち物を没収されるケースも日常的に目にする光景です。

怒鳴られたと思いきや…

以前マレーシアに訪れた際、お金を下ろすためにATMに立ち寄ったところ、なぜか突然警察官がやってきて入り口を封鎖。マシンのチェックでもするのかなと思っていたのですが、特に何をする様子でもありません。
不思議に思いながらもお金を下ろし、ここから出たいのでドアを開けて欲しいと頼むと、何やらマレー語で怒り出しました。

「私はマレー語がわからないの」と伝えてもひたすら怒鳴り続け、最終的にはため息と共にそこから出してくれたのですが、なぜか彼は私に向かって「I LOVE YOU」。
怒鳴っていたのではなく、どうやらマレー語で口説いていたようです。
それにしても一体本来の目的は何だったのか、未だに分かりません。

英語が話せない警察官が多い

この例からも分かるとおり、マレーシアの警察官の中には英語が話せない人も多く、そのため誤解も頻繁に生じています。
ある政治組織に反感を抱く集団のデモが行われた日、警戒を厳しくした警察官は、政治とはまったく関係のないボランティア活動をしていた少数グループに尋問を始めました。

そのグループは、自分達が政府とは、何の関わりもないことを示すため、英語で書かれた自作のパンフレットを見せたのですが、その場にいた警察官は誰も英語を読めず、「自分達に読めない怪しい文書を製作している」として、そのグループを署に連行してしまいました。
警察署では英語の読める上官がいたために誤解を解くことができましたが、最終的に謝罪は一切なかったそうです。
力は持っていても、その行使の仕方にいささか疑問を感じてしまうマレーシアの警察事情でした。

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